困難な解決




アレルギーは、免疫の記憶。
思い出が増えるように、世代を重ねるほどに積み重なっていく。
だから、現代人のアレルギーはひどいのだろう。

問題が体の統制能力を超えると、症状が顕在化する。
成長とともにアトピー性皮膚炎や喘息が軽快していたのは、
体の能力の高まりにより問題を統制してくれたから。
あまりに問題が大きくなれば、成熟した統制力でも覆い隠せない。

多くの患者がアレルギーに苦しむ現代。
誰もがその病苦からの解放を臨む。

しかし重症者の軽快がたやすく得られるはずもない。
なんと解決の困難であることよ。

アレルギーを起こす免疫細胞は全身を巡るから、
外科切除のように人任せでいっぺんに取り除いてはもらえない。
かくして、病気との憂鬱な付き合いが続く。

だが希望がないわけではない。
養生策はごまんと呈示されている。
努力に応じて、体の状態も変わっていくだろう。
「求めよ、さらば与えられん」だ。

きっとそれは「たなボタ」のようには来ないのだ。
苦闘の末にこそ、道は拓けるのだろう。

そして何がしかの事を成せる体となり、
この世に煌めく成果を残していく。

負けるな、アトピー患者!

2016.07.  
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