[魔法の薬]



. 医学生の時の薬理学の授業で、
これ程副作用が多く多彩な薬もなかった。
なのに何故それは用いられるのか。

ステロイドは打出の小槌。魔法の薬。
何もなかったかのように症状を消す。
問答無用でとにかく治してしまう。

そんな薬を望むのは誰?。必要とするのは誰?。
それは医師。そして患者。

原因不明は尤もらしい理由。けれどむしろ口実?。
医師は治さなければ面子が立たない。
患者は病気からただ逃れたい。

病気には意義があるのか?。
それは何かを伝えようとしているのか?。
或いは避け難い必要悪では?。

苦痛は無い方がいい。病は無い方がいい。
しかし物事には全て原因があって結果があるはず。
どんなに複雑で読み解き難くても、それはある。
結果を見えなくしても、原因はなくならない。

特効薬を求めるのは止めよう。
名医に解決を望むのは止めよう。
人間は魔法を起こす力は持たない。

治療という外力はまた別の結果を作る原因となる。
少なくともその可能性があるのだということを、
治療を行ない受ける者は、知り覚悟する必要がある。


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